「M3-Synchy(エムスリー・シンキー)」は、人間とロボットの認知発達研究のために開発された、普及型ロボット・プラットフォームです。
複数のロボットと人間との間での、言語的・非言語的コミュニケーションを研究することが可能で、特に視線行動によるコミュニケーション実現に適した機能を備えています。
本製品は、科学技術振興機構(JST)の目的基礎研究事業の一環として、以下のプロジェクトにおいて開発されたものです。
戦略的創造研究推進事業 ERATO型研究
本研究は、「浅田共創知能システムプロジェクト」の社会的共創知能グループ(グループリーダー:石黒 浩・大阪大学 大学院基礎工学研究科 教授)が行いました。
人間が成長する過程での認知能力、コミュニケーション能力などの獲得と発達については、その詳細なメカニズムは未だに明らかにされていません。
これら人間の認知発達について、ロボット工学と人間科学とを融合させた「認知発達ロボティクス」という切り口で研究が進められていますが、より広範囲で の応用のためには、ロボット工学研究者に限らないさまざまな分野の研究者が容易に使うことのできるロボット・プラットフォームが必要です。
「M3-Synchy(エムスリー・シンキー)」は、机上などの身近な環境で運用することを想定し、身長約30cm、重量約2.3kgの小型サイズとしています。
全身に17軸のサーボモータと、感情の出力装置として15個のLEDを搭載しております。特に身振りや表情(視線や口の動き、頬の紅潮など)を多彩に表現することが可能なため、自由度の高い非言語コミュニケーションを実現します。
このロボットは、「浅田共創知能システムプロジェクト」の社会的共創知能グループ(グループリーダー:石黒 浩・大阪大学 大学院基礎工学研究科 教授)による研究で開発されたものです。
名前の「M3」は、[WO]MAN MADE [WO]MAN(人造人間)に由来し、「Synchy」は複数のロボットの同調(synchronize)による円滑なコミュニケーションをイメージしたものです。
表情の形成に特に重要な自由軸を多数搭載しました。眼球×3、口×1、首×3、腰×2のサーボモータのほか、腕の動きや頬の紅潮などで、言葉によらないコミュニケーションの研究を実現します。
頭部に1個の30万画素USBカメラと、2個のマイクを搭載しております。外部コンピュータを利用することにより、画像認識、音声認識を介したコミュニケーション研究なども可能です。
サーボモータの駆動には、ロボット用CPUボード「VS-RC003HV」を使用しております。外部のコンピュータを用いてモーション作成やモータの制御などが容易に実現可能です。
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